第1章 始まり
「おいっ!あっち探せ!!」
「探してるけどいないんだよ!」
皆さん、こんにちは。詐欺師です♪
急に怒鳴り声なんかを聞かせて申し訳ないけど、今追われてるんだよね
『だから人間は嫌いなんだよ、面倒だし』
おっきな屋敷に入ってぇ…主騙してそれで二千万くらい持ってきたんだよねぇ
『面倒だし早く帰ろっと』
屋敷の中は分かっているし、裏ルートから逃げる
『脱出成功、お疲れ様でした』
手元にあるスイッチをカチッと押す
屋敷の方へ目を向けると、どこからともなく炎が広がっている
『……』
こんなことをしても特になにも思わない。人間は面倒だとか、嫌いとかは思うけれど罪悪感なんかはない
『さて、次の仕事はどうしようかな』
明日も人を騙して生きる、それが僕の人生