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この愛は呪いだ【呪術廻戦】

第7章 夏休みは任務です②~大人の階段登る編~







「なーんで私まで行かなきゃならないんだ、」


「夜蛾先生から連れて行くようにとお達しが・・・って家入さんっ!車でタバコは控えてください!いや、そもそもあなたまだ高校生ですよね?」


「ねぇーねぇー松野さーん。まだぁ?」


「五条くんっ!足が長いのは分かるんですが、シートを蹴らないで頂けますか?地味に痛いです!」


『・・・これが真剣。す、すごい。』


「あぁぁあ、山田さんっ!!何してるんですか、危険ですっ!!外に出るまで剣は、鞘に閉まっておいてくださいっ!!!」


「すいません、松野さん。」


「あぁ夏油くんだけです。」



そう落胆しながらも運転を続ける松野さんに、こればかりは同情するほかない。後部座席に座る3人は、三者三様各々に思いの丈を好き勝手に口にしているが、これから私たちは任務に行くのだ。もう少し緊張感を持つべきだろうと、本当は言いたかった言葉たちの代わりに自分の口からこぼれたのはため息だった。



「それで、今回の任務はどんな内容で?」


「場所は工場なんですが、先月から不審な事故が相次いで発生しています。そこで怪我人が数名。そして行方不明の方が2名いるとの報告があります。」


「ほう。事故とは?」


「天井の崩落、機械の暴走などありますが、全て化学では証明できないようなことらしく調査したところ低級の呪霊を複数視認。」


「なんだ、低級か。問題ねぇじゃん。」



いつの間にか静かになった3人も松野さんの話をちゃんと聞いていた。そして悟の言うように、低級の呪霊が複数体なら悟と私2人で十分のはず。花子は経験値が少なすぎるからだとしても、硝子を帯同させるのは違和感があった。



「本当に低級の呪霊が複数体だけならそうでしょうね。」



松野さんの意味深な言い方に、少しづつその違和感の正体が顔を見せ始める。



「上層部は山田さんに1人で行くようにと指示を出しました。」


『え?私?』


「そうです。まだ4級の山田さんにです。それがどういう意味なのかもう皆さんなら分かりますよね?」


「まーだジィさんたちはそんなこと言ってんのか。アホくさ。」



頭が硬すぎんだよ、と付け足した悟の声は明らかに怒っていた。そして松野さんの言っている意味が分からない者などいなかった。
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