第4章 穏やかな彼(K.A)
「うわ、マットレスが…」
自分から出た液体とはいえ、すごかった。どうりで、喉がからからに乾いている。彼が持ってきてくれた水を受け取りながら途方に暮れていた。
「もうさ、うちに来なよ」
「そうだね、今日はもうここじゃ寝られないもんね」
「いやもう引っ越してきなよ」
へぇっ?と変な声が出た。
「一緒に住も。」
嬉しくて、飛びつきそうになったけど、
「でも、」
「ん?」
「あなたの部屋のベッドもこんなことに…」
してしまうんじゃ、と言う前に抱きしめられた。
「どうとでも予防できるでしょ。こんなになっちゃうのわかったんだから」
「恥ずかし……」
それにしても、こんなに優しい彼があんなに濃厚な…
彼を見上げると、私の考えがわかっているかのようにニヤリと笑う。
「ねちっこくて引いた?」
ぼん、と顔に血が昇った。でも、これから毎回あんなに感じさせてくれるなら…
「ねちっこいの、好き」
彼は嬉しそうに笑った。
「俺んちのベッド、シモンズだよ。寝心地いーよ」