第2章 play 1 ※
最上階に着き、エレベーターが開くと
正面にひとつのドアが現れた
カヲルが鍵を使ってドアを開くと
長い廊下に面していくつものドアがあるのが見えた
さっさと靴を脱いで部屋に上がったタケルの後ろで少し戸惑っていたチサトに、カヲルは声を掛けた
「…どうぞ…」
『……はい……お邪魔します…』
廊下の途中まで行くと、タケルは後ろを向いた
「…じゃ…シャワー浴びて集合しよう♪…君はゲスト用の使って?」
『…ぇ…』
「…一日中あんな埃っぽいスタジオに詰め込まれて汗かいたから…気持ち悪くて……チサトちゃんも早くサッパリした方がいいよ」
タケルが顔をしかめて身震いしたので、チサトは途端に居心地の悪い思いを感じた
カヲルに案内されゲスト用のシャワー室に入ったチサトは
急いで全身を洗った
髪も洗った方がいいのかどうか少し考えたが
タケルのあの嫌そうな顔を思い出し、洗う事にした
濡れた髪を拭きながらシャワー室を出て脱衣所に戻ると
脱いだ服を置いておいたはずの場所に、キチンと畳まれたバスローブが置かれていた
『………ぇ……?』
驚いたチサトはあちこち探した
バッグはそのままなのに
自分の着てきた服はどこにも無かった