第9章 play 7 ※
カヲルは
チサトの両頬を包んで上を向かせた
「……」
確かに
最初は同情心
贖罪のつもりもあった
絶望の底で泣きじゃくる彼女をなだめたくて
その願いを聞いた
けれど
決してそれだけの気持ちだった訳ではなかった
チサトの身体を通して
その清らかな心に触れたカヲルは
自分でも驚くほど彼女に惹かれていった
そんな気持ちになったのは
生まれて初めてだった
親指で
涙の跡を拭う
潤んだ瞳が
真っ直ぐな想いを伝えていた
チサトが自分に好意を持ってくれていることは
素直に嬉しかった
けれど
気持ちを受け入れてしまったら
彼女はいま以上に苦しむだろう
それが分かっていたカヲルは
チサトの想いに応える事が出来なかった
「……」
カヲルは何も言わず
チサトの唇に優しく口付けた
『………ん…………カヲルさん……』
細い腕が
縋るように背中に回されていく
『………今夜も………慰めてください……』
開かれた唇に誘われるまま
カヲルは深く舌を絡めた