第7章 play 5 ※
『…っ……撮影なんてやめてください!』
チサトが抗議すると
タケルはカメラを止めた
「……役を与えられた時の…君の演技力を見たかっただけだよ…」
タケルはそう言うと
今撮った映像を再生し始めた
「……ウン……なかなかよく撮れてる…」
『……早く…消してください…』
しばらくモニターを見つめていたタケルが
不意にカメラをチサトに手渡してきた
小さな画面には
メイド服を着たチサトが自身の胸を揉みながら下着を弄っている姿が映し出されていた
微かに眉根を寄せ
頬を上気させた自分の顔が次第にアップになっていく
「…………クスクス………演技っていうより…本気で感じちゃってるよね…」
『……っ…』
チサトは停止ボタンを押すと
慣れない手つきでカメラを操作し
今の動画を消去した
俯いているチサトの側で
ジャラリと鎖の音がした
首輪がクイと引かれ
顎を上げると
タケルの顔がすぐ目の前にあった
「………誰のこと考えて…あんな顔してたの…」
美しい瞳が
一瞬憂いに揺れたような気がして
チサトは息を呑んだ
何も答えられずにいると
タケルは再びヘッドボードに身体を預けた
「……続き…始めてよ………今度は僕を見ながらね…」