第7章 play 5 ※
「……ココで見てるから…自分で触って…」
『…………ハイ…』
ヘッドボードに枕を重ねて寄りかかっているタケルと向かい合うようにして座らされたチサトは
ぎこちなく自分の胸に手を添えた
「……ちゃんと本気でやってよ………そうだ……オーディションだと思って…」
『……ハイ…』
チサトは円を描くように手を動かし
自分の胸を揉んだ
初めのうちは戸惑っていたけれど
目を閉じ
頭の中でカヲルの事を思い浮かべると
次第に身体の力が抜けてきた
「……下も触って…」
『……』
チサトはおずおずとスカートの中に右手を入れ
閉じた太腿の上に置いた
少しずつ手を移動させ指先が下着に触れると
微かに湿っているのが分かり
全身がカッと熱くなった
「……あれ………もう濡れちゃってた…?」
『……っ…』
チサトが何も答えないでいると
タケルはクスクスと笑った
「……膝立てて……触ってるとこ見せてよ…」
『……』
チサトは言われるまま
左の膝を立てた
片手で胸を揉みながら
下着の上を指先でまさぐる
羞恥と嫌悪の感情に反するように
布一枚隔てたその下がヌルヌルして
呼吸が大きくなってくる
『……ハァ…………ハァ……』
右手の指が自身の1番敏感な部分を捉えると
身体がピクンと反応してしまう
その場所を覚えたチサトの指は
更なる快感を求めて往復を繰り返した
(……直接触れたい……)
布越しの刺激がもどかしくて
込み上げる欲望が溢れる吐息と共に次第に抑えられなくなってくる
けれど
その先を促すタケルの声は
いつまで経っても聞こえる事はなかった
『……ハァ………ハァ………ハァ……』
我慢が出来なくなったチサトが
乞うように薄く目を開けると
タケルは口元に微笑みを浮かべたまま
何も言わずにチサトを見つめていた
「……やっと僕を見たね…」
そう言ったタケルの手元には
小型のカメラが握られていた