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bird cage 【R18】

第5章 play 4 ※




微かに寝息を立てているチサトを起こさないように
カヲルはそっとベッドから降りた


ワイシャツとズボンを身に付け
もう一度ベッドの側へ行く



"このまま眠るのは耐えられない"と
泣きながら懇願したチサト


まだあどけなさの残る寝顔は
心なしか和らいでいるように見えた



(………許してくれ………………全ては……俺のせいなんだ……)



込み上げる感情に顔を歪ませると
カヲルはネクタイとジャケットを掴んで部屋を後にした









自宅に戻った後
喉の渇きを覚えたカヲルがキッチンへ行くと
明かりの消えたリビングのソファにタケルが寝転がっていた


「……そこに居たのか…」

「…………ウン………………遅かったね……」


カヲルはジャケットをカウンターの上に置くと
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出しながら答えた


「……帰る途中に仕事の電話があって…対応してたからな…」


グラスに注いでいる間
痛いほどの視線を感じたが
カヲルはそのまま平然を装った


「……」

「……」


長い沈黙を破ったのはタケルだった


「…………そう…」


タケルは身体を起こして立ち上がった


「……部屋に行くよ………お疲れ…」

「………お疲れ…」



タケルの部屋のドアが閉まる音が
静かな廊下に響いた


「……」


カヲルはミネラルウォーターを一気に飲み干すと
小さくため息をついた











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