第5章 play 4 ※
カヲルは少し面食らったように目を瞬かせると
フッと微笑んだ
いつも表情を崩さないカヲルに優しく見下ろされ
チサトの心臓がトクンと高鳴った
カヲルは
腕の中にチサトを包むように抱きしめ
優しく髪を撫でた
触れている胸板からは体温を感じなくて
チサトは自分の頬が熱を持っていることに気付いた
ドキドキすると同時に
急にこの状況が恥ずかしくなったチサトはカヲルに抱きつくように腕を回した
「……顔……上げて…」
チサトがゆっくりと上を向くと
優しい瞳と目が合った
カヲルの唇が
そっと額に触れる
チュ…
小さく音を立てて離れると
次は頬に触れた
チュ…
こめかみを掠めて耳元へ滑り
耳の周りを軽く啄む
水音が頭の中に響いて
無意識に肩がピクンと震えた
カヲルの舌先が耳の縁をなぞり上げると
腰がゾクゾクとして
自然に声が出てしまう
『…っ……んっ…』
「………耳が弱いんですか…?」
耳たぶを甘噛みしたまま低い声で囁かれ
チサトは膝が崩れそうになった
カヲルは咄嗟に腕を回し
チサトの身体を支え
そのままベッドに横たえた
耳の穴に舌先を入れ
反対の耳にも指を這わせる
『……ぁ…ん…』
両側からの刺激に
甘い声が漏れてしまう
『………っ……私…は………いいんです…………カヲルさんが…気持ち良くなるように……』
「………これがそうです………蒼井さんが感じている姿が…私を昂らせる…」
そう言いながら
カヲルの唇は首筋から鎖骨を通り胸元へ降りていった
「……だから……もっと感じてください…」