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bird cage 【R18】

第19章 last play ※






東の空が
白くなり始めた頃


タケルの腕の中で目を閉じていたチサトが
ゆっくりと身体を起こした



『…………そろそろ……帰りますね……』


そう言ってベッドを出ると
身支度を始めた


「………チサト…?」


少し心配そうな声に
チサトは精一杯の笑顔で答えた


『……………大丈夫です…………………気持ちの整理がつくのは……まだまだ先だと思うけど……………もう……馬鹿なことは考えません……』

「……」

『…………心が押し潰されそうになっても………大切な人を想えば………私達は…もう……ひとりでも眠れる…………………そう……ですよね…?………タケルさん…』

「………………うん…………そうだね……」


タケルは微笑んで頷くと
起きあがってシャツを羽織った










母親の愛情を求めて
全てを差し出したタケル


自分のした事を負い目に感じ
タケルに服従したカヲル





2人はまるで
鳥籠に捕らえられた2羽の小鳥のようだった










靴を履き終えたチサトは
タケルの瞳を真っ直ぐに見つめて言った


『……タケルさん………あなたも…もう自由になってください…………カヲルさんも……きっとそれを望んでる…』



タケルの瞳から
大粒の涙が零れた




チサトは指を伸ばし

タケルの頬を拭うと




瞳を閉じ

唇にそっとキスした




















『さよなら』
















チサトは微笑んでドアを開けると



振り返らずに



部屋を出て行った













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