第12章 ※自分のために②
伏黒くんのがどんどん硬くなって、私の手の中でしっかりとした形になっていく。
「……綾瀬、……綾瀬」
少しだけ伏黒くんの吐く息が荒くなってる。
《……本当、ムカつく》
流れ込んでくる伏黒くんの呪力の声。
伏黒くん、なんか怒ってる……? 私に?
いったい夢の中の私は伏黒くんに何してるの!?
「ちょ、っと、ふし、ぐろ……くんっ!」
伏黒くんが私の手をズボンの中に導いて、直にそれに触れさせる。ヌルッとした感触は伏黒くんの我慢の痕。
同時にもう片方の手が、私の服の下に入ってくる。
私の肌を掠めるように滑って、ブラジャーに手をかけた。
(もう……っ、む、り)
「伏黒く、ん……っ、やだ、……っ、ね、起きて!」
これ以上は本当にまずい。
起こしたい一心で、悪気はなかったんだけど。
私は思いっきり伏黒くんのソレを握ってしまって。
突然の刺激に、伏黒くんの身体がビクッと揺れた。
「……っ!」
伏黒くんの寝息が止まる。
私は慌てて伏黒くんのソレから手を離した。
けど、胸の方は伏黒くんが触ってるから退けようもなくて。
「痛ぇ……何……これ、柔らか……い」
目を覚ました伏黒くんが不機嫌に言葉を吐いて、固まった。
「……。……。……綾瀬?」
私の服の下に手を滑らせたままの伏黒くんとばっちり目があって気まずかった。