第11章 自分のために
五条先生の家は広い。
1ヶ月近く住んでるけど、まだ行ったことない部屋があるくらい。
(たしか、地下もあるんだっけ?)
やっぱりお坊っちゃんなのかな、五条先生って。
そんなことを考えてたら。
背後から五条先生に抱きしめられた。
「皆実、何やってんの?」
今日は虎杖くんが上京してくる。
さすがに虎杖くんがいるのに、五条先生の部屋で寝るわけにはいかないから。
たしか向こうに道場みたいな作りの畳部屋があったなーと思って。
自分の枕と毛布を抱えて、そっちに移そうとしてたんだけど。
「虎杖くんに五条先生と一緒に寝てるとこ見られたくないので」
「何の話?」
あ、また話が噛み合わない感じだ、これ。
「……虎杖くんもここに住むんですよね?」
「悠仁は寮だよ」
「え?」
「え?」
五条先生まで首をかしげた。
「え、皆実ってば悠仁と住みたいの?」
いや、そういう意味じゃないけど。
「虎杖くんも要監視なのでは……?」
「恵が監視するよ。隣の部屋にするから」
「私もそれでよかったのでは?」
「合法的に美少女JKと住めるなら、その手は逃さないでしょ」
「クズ?」
「ひっど。僕ほど誠実なナイスガイはいないでしょ〜」
五条先生はやっぱり少し、日本語が不自由だ。