第10章 容疑者は熱愛カップル9
貴方side
その服は毛布にあったのと同じ小さな穴があり、微かにワインの染みも付着しておる
しゃがみながら、新一と小声で話し合う
貴「あの様子じゃ、小五郎さんは気づいてないね。いつものように眠らせる?」ボソ
コナン「ああ。後、萩原刑事に頼んでほしい事が…」ボソ
研二さんに近付きながら、頼み事をする
貴「研二さん、ちょっと買ってきてほしいものがあるのですが」
萩原「?」
メモを渡し、頼みこむ
貴「哀」
哀「どうしたの?」
貴「…比護さんの無実証明したいんでしょ?…鑑識さんと一緒に、厨房のゴミ箱あたりを探してみてくれない?」
哀「厨房のゴミ箱?」
貴「…私と新一の推理が正しければ、犯人の証拠がある可能性があるはず」ボソ
哀「…!分かったわ!」
哀はバックヤードを飛び出し向かい始める
★★
目暮警部が話をまとめ、犯行が可能なのは比護さんと沖野さんしかいないと言う
その直接、麻酔銃で小五郎さんを眠らせる新一
小五郎(コナン)「目暮警部、話をまとめて変だと思いませんか?」
目暮「?」
小五郎(コナン)「最初にこのバックヤードを捜した人数です。1人居れば一目でいるか、いないかわかるというのに、捜したのは山田さんと鴻江さんの2人だけ。
倉庫の方が棚が並んでおり、視覚が多い、倉庫を捜す人数が多い方が良いのにそうしなかった…それはなぜか?
それは第三者に確認させたかったんですよ。店主がこの部屋にいない、殺人トリックの為にね!」
目暮「…という事は、あなた方のどちらかが犯人…」
鴻江「や、山田さんですよ!2人でここを捜そうって言ったのは!そ、そうっスよね!?」
山田「確かに私がそうしようと指示しましたよ!この部屋にはロッカーも戸棚もありますからね!」
貴「…そんな所に飛鳥さんが隠れてると思ったんですか?」
山田「ま、万が一って場合もあるでしょ!?それに、オーナーがこの部屋にいないのを確認させてどうしようっていうんですか!?
あの時、私と彼がこの部屋にいたのはほんの数分ですよ?」
小五郎(コナン)「数分じゃなく、一瞬だ。その時、貴方は一瞬で出現させた。あたかも毛布を被ってソファーで寝ておるような店主の魚像をね」