第4章 新たな門出
「・・・えっと、まだ曖昧で全然未定なんですけど」
「うん」
「ポケモンたちを助ける仕事が、できたらいいなって///」
「助ける?」
「ええと、時々傷ついた野生のポケモンたちを見掛けたことがって・・・なんとかしてあげたいなって思ったことがいっぱいあって・・・」
「うん」
「・・・この世界には、ポケモンたちを悪用する人もいますから・・・だからそんなポケモンたちを少しでも減らしたいなって・・・なーんて、ちょっとカッコつけすぎですよね!」
はははとは笑ってごまかした。
しかしダンデは最後までの話を聞き、「そんなことないさ!」、と言って、は笑うのをやめた。
「君の言う通り、ポケモンセンターで保護できていないポケモンたちも多いだろう。そしてポケモンの悪用は、俺も許せない。特にワイルドエリアには強くて珍しいポケモンも多い故にハンターもいると聞く。・・・俺も昔、悪い組織と会ったことがある」
(え・・・ダンデさんも・・・?)
ダンデの過去はゲーム上では語られない。
実はガラルの前主人公説ではないかと考察されたこともあるが、はダンデが話したことに驚き、ジッとダンデを見上げた。
その顔は、過去を思い出しているのか、少し苦々しい表情をしていたのをは初めて見た。しかし、ダンデはパッと暗い顔を一瞬にしていつもの笑顔に変えた。
「君は・・・チャンピオンになる気は無いのかい?」
「えぇ?チャンピオンにですか?私ジッとしてるの苦手なので向いてませんよ〜・・・でも、」
「・・・」
「勝つのは好きです」
はなんとなくだが、ダンデの質問の中に何かが隠されているような気がした。チャンピオンになる気は無い、だが勝つのは好き。少し緊張したが、それでダンデに伝わればいいと思った。
「ゲンゲロゲーン!!!!!」
「わっ!?」
「!!」
と、そこへゲンガーが割って入ってきた。
ゲンガーはジットリと、恨めしそうにとダンデを見て。お腹をさすって空腹だと訴え出した。
「ゲーン!!!」
「あ、ごめんごめん!お腹空いたんだね。えっとダンデさん。お言葉に甘えてご飯いただきますね」
「ああ、いっぱい食べてってくれ」
そう言われて、私はゲンガーの背中に乗って下まで降りた。