第4章 新たな門出
ホップの緊張も溶けたところで、は部屋で自由にしているゲンガーを見つけ、目が合うとこちらにフヨフヨ浮いてやってきた。
「ゲンガーも、心配かけてごめんね?ここまで運んできてくれてたって聞いたよ」
「ゲーン」
「うんうん、すごく助かりました。ありがとう」
フフン、と胸を張りだして、もっと褒め称えろと言わんばかりにゲンガーは嬉しそうだった。そんな様子のゲンガーに、三人は笑った。
「お姉さんが倒れた時、ゲンガーが出てきてくれてすごく助かったんだぞ」
「この子勝手にボールから出てきちゃんだー。時々夜に出かけて、近くのゴーストポケモンたちと遊んできたり、外で楽しんでるみたい」
「俺が慌ててた時も、すっごく励ましてくれたぞ」
「ゲンガーは私の手持ちで3番目だから、ちょっと兄貴風吹かせたがるっていうか・・・一緒に旅をする前はいっぱい仲間もいて慕われてたよ」
懐かしいなぁっとはすっかり大きく育ったゲンガーを見てそう思った。ゲンガーも昔を思い出しているのか、腕を組んで、うんうんと肯いている。
「いい旅だった」
もう10年前のことなのに、昨日のことのように思い出せた。
そんな思い出に至っているを、ダンデは横から微笑ましく見てた。そしてに質問をした。
「カントーでは、ジムバッチを全部集めたのか?」
「はい、もちろん!みんな癖のあるジムリーダーたちで苦労しました。特にチャンピオンのワタルさんのドラゴン軍団には泣きそうでしたよ」
「カントーのチャンピオンと戦ったのか!さんすっげぇな!」
ホップが目をキラキラさせての話に興奮した。
も当時を思い出し、手汗握る思いで力強く続きを話した。
「もう本っ当にギリギリ!最後のカイリューがバリアーを使えたんだけど、ゴリ押しで頑張った」
当時は4体編成で、よく勝てたなとは今でも驚くばかりだった。
「それからさんは何してたんだ?」
「ずーっと旅してたよ。欲しいなって思ってたポケモンがカントーにいなかったのと、他の地方も見に行きたくて」
「俺も早くトレーナーになって、旅に出たくなったぞ!」
「うん、旅はいいよ!楽しくってやめられなくなるけど!」