• テキストサイズ

【剣盾】君を待つ

第16章 月と太陽


「…知られたく、なかった…」


 泣き崩れたは、顔を覆った。


「…、聞いてくれ…俺は…」


 できてしまった距離を、ダンデは臆せずに近付いて行く。ダンデが近付くたびに、は体を震わせ、ダンデに何を言われるのかが怖くて怖くてたまらなかった。

 左手が、仮面が剥がれた部分を覆い隠すように、目を隠した。


「俺はどんな君でも…君とバトルをしていると、心が通じ合ってるような気がするんだ……?」


 泣き崩れていたは、震えが止まっていた。ゆっくりと立ち上がると、左目を抑えてニッと笑っていた。


「ダンデさんなら、わかってくれるって…思ってました…♡」

「…君は…」


 すぐにいつものじゃないことに、ダンデは気が付いた。が、の顔色は良くない。

「この渇いた心の潤し方を、ダンデさんも探してること…バトルしてて伝わってきました…私たちは、似てるから…」

 も一歩前に歩き出したが、フラフラとして危なっかしい様子だった。

「お願いです…バトルに、決着を…」


 ダンデは息を呑んだ。顔色は悪く、フラついている体なのに、弱々しい雰囲気は一切感じさせない。


「勝たなきゃ…勝って、レッドに、認められ、なきゃ…」

「…わかった。君が望むなら、俺は容赦無くやるぜ」

「…」


 は嬉しそうに頷いた。ダンデは持ち場に戻ると、リザードンとガマゲロゲもまだまだやる気満々で立ちはだかった。

 メガリザードンとラグラージもの元に付くと、は声を張り上げた。


「リザードン、雷パンチ!ラグラージ、マッドショット!」


(ありがとう、ダンデさん…あなたに出会えて、本当に……)




 右の仮面から、涙が一粒流れ出た。



「絶対に、倒してやるんだから♡!」
/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp