第15章 真夜中の開幕劇
そしてついニ、お前はワタクシの下から逃げ出した。
その時、この心の飢えに気付いたのデス。どうしてお前に執着するのカ、求めていたのは強さだけじゃなくテ、お前の----。
「…シャ、ン…」
「シャンデラ!!!」
何故ダ、何故勝てなイ。
「やっぱりインゴさん、バトルの腕が落ちましたよね」
「何ヲ…ふざけたことヲ…」
「タッグバトルの時、タチフサグマが咄嗟にジュラルドンを空に投げたことで地震と放電を免れていたこと、気付いていなかったですよね?昔のインゴさんなら、それくらい見抜けたはずですよ」
「それハ…」
「私なんかを探している間、何してたんですか?」
それはお前を必死に探していたカラ。
「私考えてたんです、あのバトルトレインで。時々手応えのあるトレーナーと出会えた時、もっと強いトレーナーとバトルがしたい、もっと楽しいバトルがしたいって!なのにインゴさん、こんなに弱くなっちゃって。私には完璧を求めるくせにインゴさんはいつになったら私より強くなってくれるんですか?」
お前に勝つために、努力を欠かしたことは一切なイ。
「私はもっと強い人とバトルして勝ちたいです!だから私、サブウェイには帰りません!だって私よりバトル強い人いないですよね」
ワタクシがもっと強くなって、必ず追いついて、追い抜かしますカラ----。
「どうしたんですか、インゴさん?その顔、バトルに負けたチャンレンジャーの人みたいな顔してますよ?」
『インゴさん!今日のバトルはいつもと違いましたね!もうすっごくドキドキして楽しかったです!』
もう少しこの気持ちに早く気がついていれば、こんな悪夢は見なかったのでしょうカ?
「…今すぐ、その仮面を取りなさイ」
「……インゴさんが私に最強であることを望んだんですよ?弱さや優しさは要らないって言ってたなじゃいないですか…なのに今度は私ですか?強すぎたらもう要らないんですか?」
違う、そういう意味では----。
「ワタクシは、お前のことが…っ!」
「じゃあ、私だってインゴさんのこといーらない♡」
「なっ…!?、話しを----」
「見苦しいですよ、インゴさん。もうインゴさんも敗者なんですから、大人しく磔の刑に処されてください♡」
お前も、ワタクシの前からいなくなるのですカ。