第11章 【第二幕】置いてきた過去に追い付かれて
----二日後。
「リザードン、ドラゴンクロー!!」
「フライゴン、鋼の翼で跳ね返せ!!」
晴れた日の午後、ナックルシティのジムでとキバナは一対一のポケモンバトルを行っていた。リザードンとフライゴンは空中で技を何度もぶつけ合い、リザードンは自身のドラゴンクローを鋼の翼で受け止めているフライゴンを、力強く下へ弾き飛ばした。
バランスと崩したフライゴンの背後をとると、リザードンは容赦無くドラゴンクローでフライゴンを引き裂いた。
フィールドに落ちたフライゴンは目を回し、戦闘不能になった。
「そこまで!」
ナックルジムのトレーナー、リョータがフライゴンが戦闘不能になったことで、バトルを終わらせた。
「はぁ〜〜〜また俺さまの負けかよ」
キバナが悔しそうに声を漏らすと、は地面に降り立ったリザードンに飛びついた。
「お疲れ様、リザードン!」
「バギュア!」
フンスと、鼻を鳴らして得意げなリザードンに、はダンデとのバトルでまた強くなったと確信した。
「やっぱお前のリザードンは強いな」
フライゴンをボールの中に戻したキバナがたちに近づいて言うと、はゆるゆると口元を緩めた。
「当たり前です!だって私の相棒ですから!ね、リザードン!」
「バギュ!」
(…)
お互いを強く信頼し合っているとリザードンを見て、キバナは一瞬がダンデに重なって見えた。
・・・・・
何故とキバナがバトルをする経緯になったかは、二日前のチャンピオンカップの時。試合が終わり、控え室でだいぶ落ち着いたは、手持ちのポケモンをポケモンセンターに預けに行かなければいけないことと、ネズから預かってもらっているエレズンを引き取りに行こうと控え室を出た時だった。
「…よぉ、お疲れ」
「…!?!?」
控え室のドアを開けると、通路の壁に背を預けたキバナがいた。もまさかキバナがいるとは思ってもおらず、バタンとドアが後ろで閉まる音が聞こえた。引き返すことができなくなった。