第10章 チャンピオンカップ
は深呼吸をすると、今一度ダンデとドラパルトを見据えた。
「ラグラージ、出番だよ!」
再度現れたラグラージは、ドラパルトを見るや否や、すぐに戦闘体制をとった。
「(ドラピオンが命がけで繋いでくれたチャンス…)行くよ、ラグラージ!冷凍ビーム!!!」
ラグラージは口を開けると、ドラパルトに真っ直ぐに向かって冷凍ビームを放った。
「避けてシャドーボールだ!」
冷凍ビームを軽々と避けたドラパルトは、両手で作ったシャドーボールをラグラージに向けて飛ばした。
「(ラグラージには火炎放射はあまり効果はないけど、ドラピオンの時みたいな爆発を起こされる可能性もある!)ラグラージ、まもる!」
ラグラージは素早く自身の周りに守りの壁を作った。
「火炎放射だぜ!!」
一瞬の判断ミスからバトルの流れがガラリと変わってしまう。先に放たれたシャドーボールの後ろから、ドラパルトは勢いよく火炎放射を吐き出した。またしても大きな爆発が起こり、光と爆風を腕を顔の前に持ってきて防いだ。
煙が晴れていくと、まもるを使ったラグラージには傷一つついていなかった。ドラパルトの方へ目を向けると、少し息を乱している容姿が見て取れた。
「…ラグラージ、冷凍ビーム!」
「火炎放射で向かい打て!」
二匹は同時に技を放った。冷凍ビームと火炎放射はぶつかった瞬間、お互いの技を押し返そうと、押したり引いたりしていた。
「負けるなドラパルト!!」
「押し切るよ!ラグラージ!」
相性はドラパルトの火炎放射が上だが、少しずつラグラージの冷凍ビームが火炎放射を押し返していた。
「どうしたドラパルト…!」
ラグラージの冷凍ビームが段々とドラパルトに迫っていくと、ダンデは注意深くドラパルトを見た。
(おかしい…噛み砕くを一度食らったくらいで俺のドラパルトがあそこまで押されるなんて…そもそもあれは噛み砕くだったのか?あれは砕くというより噛み付いていた……まさか)
ハッとダンデはあることに気が付いた。
「避けるんだ、ドラパルト!!!」
もうすぐそこまで迫っていた冷凍ビームを、ドラパルトはなんとか体をそらして避けることができた。