第10章 チャンピオンカップ
ドラパルトが十万ボルトを放つと、ドラピオンはクロスポイズンで攻撃を防ぐ。火炎放射を吐くと、岩石封じで炎を防がれる。
(ドラゴンアローも使えないうえに、シャドーボールはドラピオンには効かない----)
ダンデはツウっと、輪郭に沿って落ちる汗を手で乱暴に拭った。
「(だがコイツだけはドラパルトでなんとしても食い止めなければいけない!)ドラパルト、いくぜ!シャドーボール!!!」
「ルァアアアア!!!!」
「(シャドーボール!?)ドラピオン、気を付けて!」
「ドラドラっ!!」
ドラピオンは向かってくるシャドーボールに身構えた。
「ドラパルト、シャドーボールに火炎放射をぶつけるんだ!」
「なっ!? ドラピオン、避けて!!!」
は慌ててドラピオンに避けるように指示をしたが、ドラパルトはそれよりも素早くシャドーボールに熱い炎をぶつけた。炎に触れたシャドーボールは、カッと、眩しく一瞬眩しい光を放った。
そして大きな爆発を起こし、近くにいたドラピオンを巻き込んだ。
「っラァ…!!!」
「ドラピオン!!!」
「今だ!十万ボルト!!!」
爆風でよろけたドラピオンに、ドラパルトは十万ボルトを放った。十万ボルトはドラピオンに直撃し、苦しそうに目を閉じていた。
「ドラピオン!しっかりして!!」
「…ど、ドラ…っ」
電撃が止むと、ビリビリ痺れる体に耐えるように、ドラピオンはその場に立っていた。
(麻痺!!)
はすぐにドラピオンが麻痺したことに気が付いた。しかし、それはダンデもだった。こんなチャンスを逃す男ではない。
「もう一度、十万ボルトだ!」
「っクロスポイズン!!」
ドラパルトは得意の浮遊とスピードでドラピオンのクロスポイズンを避けると、ガラ空きのドラピオンの前に現れた。
「ド、ドラ…!」
「ルパァアアアア!!!!」
十万ボルトの眩しい光がスタジアム中を照し、とダンデも顔の前に腕を持ってきて、眩しさに目を細めた。
十万ボルトの光が収まると、プスプスと電撃で焦げたドラピオンがグッタリした様子で座り込んでいた。
「嘘っ…ドラピオン!!!!」
はドラピオンに駆けつけたくなる衝動を抑えながら、心配の眼差しを向けていた。