第3章 迷走
キバナと別れてから、はポケモンたちを連れて、ワイルドエリアに向かった。周りに人がいないのを確認してから、ポケモンたちにポケフーズを振る舞った。みんな喜んで完食してくれて、次は何か手作りのものを用意しようと決めた。そしてみんなが完食したのを見計らって、震えそうになる体を奮い立たせて口を開いた。
「あのね、みんな・・・聞いてほしいの」
「バギュ?」
「ゲン?」
右からリザードン、ゲンガー、ドラピオン、ハッサム、ラグラージ、そして池に放たれたギャラドス。
みんながに耳を傾け、暖かい日差しの中そっとは話し始めた。
「みんなには迷惑をかけてると思ってる。でも、みんな優しいから私ずっと甘えてた・・・本当はみんながバトルしたいの知ってた・・・ごめんなさいっ!」
「・・・ハッサム」
「・・・ラグゥ」
「あれからずっと逃げっぱなしで・・・でも私、みんなとあの時みたいに楽しくやってきたい」
だから、とはスウっと息を吸い込んで、頭をポケモンたちに下げた。
「もう一度!私と戦ってほしい!こんな弱虫に力を貸して欲しいの!」
ギュッと目を瞑って、待った。
本当はポケモンたちの顔を見るのが怖く、顔をあげれなかった。
しかし、ポンっと頭に手が乗せられて、は顔をあげた。
「ゲンゲン!」
目の前にはニッコリ笑ったゲンガーがいて、周りを見渡せばポケモンたちは「待ちくたびれたぜ」と言ったような、暖かい眼差しをくれた。
そして自分の目がウルウルと涙が溜まっていき、収まらなかった涙が次々と目からこぼれ落ちて、泣いてしまった。
「っふ・・・」
「バギュワ!」
「ギャラ!」
「ドラ!」
「わっ!みんな・・・っ!」
ゲンガーを筆頭に、ポケモンたちがに集まり、押しくら饅頭状態だったが、改めては自分の手持ちのポケモンたちでよかったと心から思えた。
最後に体の大きいギャラドスが、みんなをまとめながら巻きつき、は久しぶりに大笑いしたのだった。
「やるからには1番目指すよ!」
そうが言うと、ポケモンたちは一斉に鳴いて応えてくれた。