第7章 友達
ドラパルトから発射されたドラメシアたちがゲンガーに迫り、ゲンガーも両手を手を尖らせ、前方から飛んでくるドラメシアたちを切り裂き、そのままドラメシアに向かって走った。
ドン、ドン!と二匹のドラメシアたちの爆音を後ろに聞きながら、ゲンガーはシャドークローを解いた手がキラキラと輝き出した。
ドラパルトもパチパチと体に電気を纏わせ、向かってくるゲンガーを睨みつけた。
「マジカルシャインっ!!!」
「十万ボルトっ!!!」
ゲンガーのキラキラとした光と、ドラパルトから発せられた電気がぶつかり合い、バチン!と大きな音を立てて二つの技は相殺された。
弾かれた技はキラキラと宙を輝かせ、ゲンガーとドラパルトは両の手に小さなシャドーボールをすでに作り出していた。
ビー!ビー!ビー!ビー!
突然の携帯が、5分を告げるタイマーを鳴らし、緊張に包まれた空気がゆっくりと解かれた。
「ゲンガー、ストップ!ストップ!」
「ここまでだ、ドラパルト!」
まだお互い睨み合い、育ちきっていないシャドーボールがとダンデの声で小さくすぼみ、どちらも消えてなくなった。二匹から戦闘の意思がなくなると、もダンデもどちらもフィールド内を歩き、自分のポケモンを労わった。
そして二人は歩み寄り、握手をした。
「やっぱり君は強いな、引き分けなんて初めてだ!」
「そんな…ダンデさん隙がなくて困りましたよ」
「君だって最後のシャドークローの使い方がうまかった!ああいうふうにも使えるんだな」
「あれはゲンガーと練習したんです!特殊技だけじゃ入り込まれた時の対処や、相手に近づきたい時にって!」
「マジカルシャインの使い方も上手かった。まさかドラゴンアローを二度も防がれるなんて考えもしなかったぜ」
「素早さが高いドラパルトをどう抑え込むか。接近戦もさせてくれないし、かえんほうしゃや十万ボルトで状態異常にさせられるかもって考えたり、本当にヒヤヒヤしましたよ〜!」
はその場に足を上げ出して座り込み、はぁと息をついた。
ダンデもに習い、隣りに座り込み、チラリとを見た。
その様子を後ろでゲンガーとドラパルトが見ており、ゲンガーはドラパルトに何か話しかけていた。