第7章 友達
風が吹き、木々が揺れる。は予め携帯のタイマーを5分間に設定した。いつスタートしてもいいように、ジッとダンデを見据えた。
ダンデはパシパシと顔を軽く叩き、が繰り出したゲンガーを見て考察していた。
(俺のドラパルトに対してゲンガーか。てっきりドラピオンで来るかと思ったが、特殊攻撃を警戒されたか…ゲンガーならあの技を覚えている可能性もある。どっちがより早く、正確な指示を出せるか)
ギュッとダンデは握った手に力を込めた。
風に吹かれた葉がヒラリ、ヒラリとゲンガーとドラパルトの前に落ちてきた。
とダンデは、これだと直感でわかり、その葉が地面に落ちるのを片唾を飲んで見守った。
「ドラパルト!」
「ゲンガー!」
「「シャドーボール!」」
とダンデは葉が地面に落ちたと同時に指示を出した。
二匹の両手から作られる黒紫色の玉が急速に大きくなり、目の前にいる相手に同時に投げつけた。
2つのシャドーボールは放たれてからも大きくなり、触れ合った瞬間にその場でドン!と大きな爆音が鳴った。
その爆音と煙の中から、ドラパルトが勢いよく飛び出し、二発目のシャドーボールを抱えているのが見えた。
「早っ!ゲンガー、避けてからシャドークロー!!」
「ゲン!」
ドラパルトの二発目のシャドーボールをギリギリでゲンガーはかわし、右手を尖らせたゲンガーが近くにいるドラパルトに向かって大きく振りかぶった。
「避けるんだドラパルト!!かえんほうしゃ!!」
「ルパァアア!!!」
ゲンガーのシャドークローを難なくかわしたドラパルトは、口から大量の火炎を吹き出した。
「っっ!!悪の波動!!!」
ゲンガーから溢れた黒い波動が向かってくるかえんほうしゃに当たり、また大きな爆音と煙が立ち込めた。目を凝らしてその先を見てみるが、もうドラパルトはそこにはおらず、すでに距離を取られて反撃の手が見つからない。
「(隙を作らなくちゃ!でもさっきのシャドークローで多分迂闊に近づいてきてくれない…ならこっちから隙を作っていくしかない!!)ゲンガー、そのまま真っ直ぐ飛び上がって!」
煙が晴れる前にゲンガーは高く飛び上がった。
煙の向こうから飛び上がったゲンガーをドラパルトがその様子をジッと睨みつけ、自分の頭に乗ったドラメシアをゲンガーに標準を合わせた。