第28章 可愛い君に……は お相手:煉獄杏寿郎
サァーーーっと
自分の顔から熱が冷えて
血の気が引いてくのを感じる
「杏っ、寿郎さんっ?え?え?
いつ…お戻りに?……あ、えっと…。
その……これはっ、あの…」
「玄関で声を掛けたが、返事がなくてな。
眠っているのなら……起こすのもと、
せめて、寝顔だけでも…見るかと、
そう思ったのだが。まさか…俺の留守に
君が、自分で自分を慰めているとは…。
みくり、言い逃れは出来そうか?
俺は、しっかりと……
この目で見てしまっているし。
そうしている君の声も、
聞いてしまっているが?」
この耳で と続けて
杏寿郎が自分の耳を
自分の指でなぞって見せた
「だが……、そうして言い逃れを
しようとしている君は、
可愛らしい限りではあるが。いいのか?
続き…、まだ……だろう?続けていいぞ?」
まだ 最後までしていないのだから
続きをしてもいいと
そう杏寿郎が促して来て
「いやっ、あの……もう、しませんっ
あの、杏寿郎さんの言いつけを守らずに
一人でしてしまって、……ごめんなさいっ」
すぐ隣に彼が寄り添って来て
私の身体に掛かっていた
掛け布団を捲って行く
「みくり……、俺はそうするなとは
君に言いつけた憶えはないが?
…違っていたか?」
そう熱のこもった声で耳元で呼ばれて
囁かれる その鼓膜を震わす声も
快感を生み出してしまう
「……っ、ふ、…ん」
「みくり、まだだったろう?
……そのままでは、辛そうだが?
もう……しないのか?
だが……、下着は……脱いでもらおう。
履いたままじゃ…、見えないからな」
彼の言葉にビクリと身体が跳ねた
それはつまり…彼の見ている前で
続きをしなさいと…そう言われている訳で……
「君が……、そうする所を…、
俺に見せては……くれないか?
いつも…、俺が留守にしてる時は
そうしてるのか…?どうなんだ?」
口調は 優しい
穏やかなのに
彼の質問が…… 私を責めていて
仕事で留守にする度に
私がこうしてるのかと……
問いかけて来る
「はぁ、んんっ、あのっ、……ごめんなさっ…」