第82章 偶にはこんなデートでも… お相手:不死川実弥 現代パロ
抱き締めて来るその腕の力が
強すぎる位に強くて
苦しくて息が詰まりそう
苦しいのに それと同じ位切なくて
この 息苦しさを感じるほどの腕の力が
不死川さんの気持ちなんだって思ったら
緩めて欲しいなんて…言えないよ 私
自分の中に留めて置けない位に
募りに募って 溢れに溢れた
今 目の前に居るこの人が好きだって
その感情が 自分と言う器に
留めて置けなくなってしまって
その 感情が 好きが
自分の目から涙になって零れて溢れる
ツゥ――ッと一筋 溢れて頬を濡らす
その 一滴を
「悪い、苦しかったかァ?」
そうこちらに問い掛けながら
申し訳なさそうにして
その雫を 不死川が己の唇で受け止めると
ピトッと自分の頬を
みくりの頬に押し付けて来て
スリッ…とその頬を擦って摺り寄せる
先程までの 激しさの無い
ゆっくりとした抽送で
身体を揺すられて
私が言葉を紡ぎやすくしてくれて
待ってくれているから
ううん…と 苦しかったんじゃないよと
不死川に伝える様にして
みくりが首を左右に振ると
「そうじゃない…んです、実弥さん。
苦し…、かったんじゃ…んんっ、無いんです。
私、さっき、感じてた…からっ、
自分が、どれだけ沢山…、実弥さんの事が
好きか…ってこと、も、それだけ…じゃなくて」
「俺が、どれだけ、みくりん事が
好きかって事も、感じてたとでも言うんだろ?
んな事ァ、言うまでもねぇだろーがよ。知ってらァ」
ホラ やっぱり
不死川さん ズルい…ッ
私が 沢山 沢山
不死川さんが 好きって事も
不死川さんも 私の事…が 好きって事も
全部全部 知ってるんだもん
やっぱり ズルい…って 思っちゃう
「やらねぇでもねェ」
そうボソッと何かを呟いて来て
声が小さくて聞き取れなかったけど
私がきょとんとして
それが聞き取れてないのを見ると
明らかに不機嫌そうな表情に
不死川の顔が変わって行って
「バァたれぇ!聞き逃してんじゃねェ。
んたく、しゃーねぇやつだなァお前はよォ。
言って、やらねぇでもねェつったんだ、俺ァ」
「言ってくれる?…って??何…ッ、ンぅんッ」
こっちに黙って居ろと言いたげに
不死川が自分の唇を重ねて塞いできて
額に掛かる髪を手で除けて来て
コツンと額を合わさせさせられて