第18章 夏の空の落とし物 後編 お相手:竈門炭治郎
「俺、家まで送ります」
「ええっ!ここから?私の家まで?
いいけど、……結構遠いよ?」
そのまま山を降りて
町を出て手を繋いだままで歩く
「炭治郎君」
「何ですか?」
「その……、
美空の事…なんだけどね?」
「俺と、貴方だけは
……憶えていていいと思いますよ?」
炭治郎の言葉にみくりが目を見開いて
それから何度も頷いて
「うん、そうだね。
…憶えて…て、いいよね?」
美空の事 忘れなくていいって
彼が言ってくれて
美空が 彼女が
この世界に 生きて居たんだって事
憶えていたいと思う
美空が 望んでた未来が
いつか 叶いますように
いつか その日が来ますように
いつか……
2人の頭の上には
どこまでも
澄みきった青い夏の空が広がっていて
その青い空の色は
彼女の 美空の瞳と同じ色で
きっと 何年 経ったとしても
俺もみくりさんも
夏の空を見上げる度に
彼女を思い出すだろう…
夏の空の落とし物
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夏の空の落とし物
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
夏の短編を書くつもりだったのに、
なぜか中編になってました。
この話の内容だったら、裏がなくても
良かったのかも知れませんが。
ここは裏の置場なので、裏ありで。
裏がない短編や、中編もその内に
また、書けたらいいなぁ……と
そんな事を考えてしまいます。