第68章 7月のある週末の話 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
杏寿郎が甲板に移動すると
既に並べられて居た座席には
数組のカップルの姿があって
1列ずつ間隔を開けて
配置されて居るのは
フェアの来場者への
コロナの感染対策なのだろう
実は俺には
船上ウエディングへの
ちょっとした憧れがあって
船で結婚式をするならと
してみたいと思って居た事があった
クインテットのスタッフと共に
支度を整えたみくりが
入場して来て
青い夏の空と
青い海に映える
マリンブルーのドレス姿のみくりが
ゆっくりとこちらへ向かって歩いて来る
一段高い壇上には
牧師ではなくてこのクインテットの
船長の姿が立会人としてあって
人前式ならではのユーモアのある
誓いの言葉をこちらに問いかけて来るので
後ろのフェアの参加者からは
堪え切れなかったのか
笑い声がくすくすと聞こえて来て
酔いつぶれるまで
深酒をしませんと誓いますか?と
タイムリーな事を問われてしまって
思わず耳が痛い思いを
俺はしてしまったのだが
誓いの言葉の後は
指輪の交換になるのだが
青いリボンでリングリレーが
人前式らしく行われる様で
ブライダルスタッフが
自分の前の部分だけの
リボンに触れる様にと説明しながら
その用意をして居るのを見ていると
フェアの参加者が間隔を取りながらも
たわませて 各々の手に持って貰っている
そのリングリレーのリボンを見て
違和感の様な物を感じた
普通のリボンでは無くて
船が港から出航する時に使う
あの紙テープだと気が付いた
確かに船上ウエディングらしい
演出のリングリレーで
前の 杏寿郎とみくりの元に
結婚指輪が届けられて来て
「それでは、指輪の交換と誓いのキスを」
そう船長に促されて
見守られる中で 指輪の交換と
誓いのキスをすると
フェアに参加していた客が
一斉に空に向かって
青と白の紙テープを投げて
ふたりを祝福すると言う
コンフェッティシャワーの様な
これまたクインテットらしい
そんな演出の体験があって
クインテットの様式の
2人の名前と日付の入った
結婚証明書を船長が参加者に向けて見せて
ふたりの結婚を認めると締めくくった
とりあえず 無事に終わって安心していたが
このまま 甲板での
フォトウエディングの撮影の様子も
フェアの参加者も見学する様で