第15章 年下の男の子 お相手:竈門炭治郎
そう言って
みくりが炭治郎の手に
自分の手を重ねて
そっとその指をなぞるようにして
指先をつつつと滑らせる
みくりの言葉に
思わずゴクリと炭治郎が
固唾を飲んでしまって
「あ、あのっ、
でもっ…俺っ……そのっきっと」
きっとそれは
この前の時みたいに
歯止めが
利かなくなりそうってやつなんだろう
「それに、俺、またしても…。
みくりさんに、謝らないと
いけない事がありまして…」
そうやって
下から許しを乞うようにして
言われて……許してあげないと言うほど
私だって鬼じゃないのに…
「それは、ここじゃできない話?」
「そうです」
これはあくまで
名目なのだろうか……
炭治郎君の話を聞くためという名目で
今 私は
炭治郎君と蕎麦屋の二階に居るんだけども
炭治郎君は
ここに入った瞬間にでも
何かして来るのかと期待してたんだけども
目の前に居る炭治郎君は
あの時のデジャブじゃないかと思うように
きっちりと居住まいを正して
これ以上姿勢を正せないんじゃないか
と言うくらいに姿勢を正して
座布団の上に正座をしている
そして かれこれ
10分位経っているが
目の前の炭治郎は
一向に私に話さないといけないと言う
謝らないといけない事について
話し出そうとはしないので
これはどうした物かと
みくりが思案していると
「あの日から
……今日までの、2週間の間……」
炭治郎が話を始めた
「すいませんでしたぁあああっ!!」
と大きな声で
謝られてしまって
炭治郎が畳に自分の額を
付ける様な勢いで土下座してくる
「ちょ、ちょっと、炭治郎君っ、
ちゃんと説明してくれないと、
分からないから、ね?」
ギュッと炭治郎が
畳に付けていた両手で拳を作ると
「俺、…あの時のみくりさんの事を
思い出してしまってっ、そのっ、
…ダメだって、わかってるのにっ
…止められなくてっ」
どうして この子は
前の時もそうだったけど
それを 本人に言ってしまうんだろ?
言わなかったら バレないのに
律儀なんだな 炭治郎君