第12章 Hi!
ー研磨sideー
目を潤ませて、涙をこぼして、
怯える穂波を見てゾクゾクした。
泣かせたくない、酷いことは絶対したくない。
今でもそう思う。
だからこれはもはや、プレイみたいな感じだ。
でも決定的なのが、穂波が本気で怖がってるってこと。
あんな風に抵抗されたのも初めてで、ほんとにごめんけど、
躊躇するどころか煽られた。
ハジメテって設定で、もっとゆっくりと最後まで嬲るようにしたかったのに。
セーブが効かなくて、挿入しちゃった。
でもまだ先っぽだけ。
ここからどうしよう。
「…痛い?」
『…痛くない』
「ん、ごめんね、穂波がかわいくて、我慢できなかった」
『いいの、それでいいの。研磨くんすごく色っぽい』
「ふはっ… 怖がってるくせになに言ってるの。 ほんと意味分かんない」
『いいの、怖いけど、いやじゃないし痛いわけないから、研磨くんのしたいように… して?』
「ん、わかってる。 泣いても叫んでも止める気はない」
『…ッん』
自分からすきにしてって言ってるくせに、
やっぱり恐怖は消えることがないみたいで。
瞳が小さく揺れて、不安げで。
『…やっ んぅッ……』
そんな穂波を見ていて加虐心は収まるとこを知らない、って感じで。
前触れもなく奥にぐっと腰を沈めた。
穂波は腰をのけぞらせて、甘く大きな声を出した。
悲鳴とは違う、でも、いつものそれとも違う、声。
「…しぃー、みんな起きちゃうよ」
寝室は防音対策してない。
鳥の囀りとか、虫の声とか風の音とか聞きたいっていう穂波の意見を尊重して。
それに、おれも、そうだなって。
『だっ…って んっ あっ やっ……』
「…ッ」
穂波のこういう声とか息遣い、基本は誰にも聞かせたくない。
でも、時折、聞こえちゃうよっていう状況でするのも、最近はありだなって思ってる。
腰を前後に振れば、
そんなに声を出さない穂波も、時折面白いほどに啼いた。
決してうるさくはない、ただ、止まれなくなる声で。