第7章 su casa
ー研磨sideー
「えー、じゃあカズくんにとって恋敵なんだ?」
もう撮影は終わって。
解散前のちょっとした時間みたいなやつ。
インタビューみたいな感じにならなかったから、全然苦じゃなかった。
その流れで普通に今、会話してるから今の時間も別に、平気。
「こいがたき…」
「なにそれ初めて聞いた」
「ジェネレーションギャップ!」
「え、でも穂波ちゃんとカズくん、アキの家で暮らすんだろ?」
この店にいるコウくんとアキくんは友達らしい。
「穂波ちゃんは、運天アキの妹な」
「おぁー、サーフィンの?すげーいろいろ繋がってんだねー」
「研磨くんはカズマは全然、敵じゃない感じ?」
「え? 敵… いや、カズマくらいしか危機感は感じないけど」
「………」
「なにその矛盾。 その余裕たっぷり感と言ってることのギャップすごい」
「…よくわかんないけど、いいんだよ。ていうかカズマ」
「ん?」
「これ乗りたいんだけど…このあと時間ある?」
「あぁうん、どこがいいかな。世田谷?」
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池尻にある世田谷公園に向かうため渋谷駅まで歩……
「三茶から公園まで何分?」
「徒歩だと20分くらい?
今日土曜だし、天気いいし、研磨うまいけどスケボーで行くのはやめた方が良くない?」
「こっから渋谷もそのくらいでしょ。着くの1時間後ってこと?」
「だね」
「タクシーでよくない?」
『それもそうだねぇ、3人で乗れば電車代と変わんないだろし』
「うん、いいね、そうしよ」
カズマならこっから駅までも、駅からも、
ていうかここから公園まで、か。
スケボー流してさっと着くんだろうけど。
電車使うと、近いのに遠い。
1時間とか待てない、って思った。