第76章 深紅のバラと浅葱の蝶 ※R-18
「きょ…杏寿郎は…、
意地が…お悪く…あられます…っ
んんっ、はぁ、あぁあんっ、
杏寿郎…、好きッ…貴方が…んっ
好き、…んっ、はぁああぁんっ、
好きなのです…ッ、ん、ぁあっん」
ズクンっとその言葉に反応する様にして
自分の陰茎が膨れ上がって質量を増して
彼女の中に吐精したいと言う衝動を…
一気に加速させて来るから
「んあぁ、下さいっ、私に…貴方を…、
杏寿郎…が欲しいっ、んあぁっ、
全て…にあります、杏寿郎…っ」
「そうか、俺の全てが欲しいと
…そう言ってくれるんだな。あげは」
縋り付く様にして抱きつかれて
求められるままに唇を重ねて舌を絡め合う
ズンズンっと腰をその腰に打ちつけると
ギュウギュウと強請る様にして締め付けられる
「んふ…は、ぁ…、
杏寿郎…ぅ、んんぁあっん」
身体も…心も… 私の全て…を
杏寿郎…貴方で満たしてしまいたい…
息を忘れる程の快感に溺れて…
ズブズブと沼の底に沈んで行く様な…
それでいて ふわふわと
水面にでも浮かんでいる様な
ズチュンっと腰を強く打ち付けられれば
海の上から山を越えて 空高く舞い上がる様な…
天にも昇る様な 心地になる…
上なのか 下なのか
上空なのか 海の底なのか…
全てがぐちゃぐちゃに溶けて
何が何だが…分からない
全てが白に 真っ白になって…溶けて行く
「ん、は、ぁ…ぁ、…あっ、あっ、ぁ…んっ」
その顎を天井に向けて
閉じている目を見開く様に開くと
ぱくぱくと
酸欠になった金魚の様に口をぱくつかせて
ガクッ…ガクッと大きく身体を震わせていて
その短い喘ぎの中に
喉が掠れて鳴る様な音が時折混じる
「……あげは、
そろそろ、果てそう…か?…俺も…ッ」
深い快感の中に居るのか
返事は返っては来ないが
前にも…こんな感じになった時があったな…
いつも迎えている絶頂より
遥かに深くて大きな波の前兆に
ぐいっと彼女の身体を
しっかりと自分の腕で抱いて
その身体を固定すると