第61章 蜂蜜と房中術 ※Rー18
彼をそう搔き立てるのは
言葉には乗って居ない不安なのだろうが
埋めてあげたいと思ってしまう
彼がそう感じてるのなら
苦しい程に求めずに居られないのなら
私の全てで それを拭い取りたいと
そう伝えたいのに…
「ふあぁ、あ…ッ、ふぁあん、
ぁんくぅ、はぁ、ひゃぁああんっ、ああ゛っ」
与えられるままに
揺すぶられて求められるままに
感じて喘ぐ事しか出来なくて
彼の不安を…和らげてあげたいのにッ
その言葉ひとつも 私の口は
紡ぎ出せないままにいて
やるせない気持ちが胸に切なさと共に募る
「ふぁ、んんっ、杏寿…ろ、う…ぁあんっ」
喘ぎと乱れた呼吸の間に
やっとその名を呼んだ時に
ギリッと締め付けられるほどに抱き締められて
更に息苦しさを募らせて来る
その腕の強すぎる程の抱擁も
もうこれ以上に奥に入る余地など無いのに
更に深くを求められる事も
その全てが愛おしさに変わる
「んぅ、ふぁ、んぅ、はぁ、
杏…、寿郎…きょ…、寿っ、郎…ぅ、
んぅ゛くっ、あぁ゛あぁあん゛んっ」
「…ハァ、っ、ハァ、あげは…ッ」
いつもの喘ぎ以上にくぐもる音の多い
彼女の声に 苦痛を与えてしまているのかと
一瞬にそれ以上を求める事に戸惑う
「んぁあんっ、大丈夫にあります…んっ、
はぁぁんっ、緩めずにそのまま…ッ、
杏寿郎の全てを、んはぁ、あ…ッ、う、
んぅんんッ、頂戴したくあります…ので」
その彼女からの許しの言葉に
理性なんてものはもう
あってない様な物になって
消え失せてしまっていて
「…っ、ハァ、あげはっ、なら…
…っ、ハァ、…このまま…っ俺の全てを、
受け止めてくれ…、君の…中で」
「んぁあぁ、ん…ッ、ぁ、はぁ、
あぁ、うぁあああ゛ぁああん!」
俺の全てを…と言う
その彼の言葉の通りに
その感情の全てをぶつけられる様な
そんな激しい律動を送り込まれる