第4章 水
次の日の放課後
「んじゃ今日は、ほうきから落ちそうになった時に、どうしたらいいか…っていうのをやってみよう。」
「……。」
「おい、聞いてんのか。」
「え…?あ…はい!」
「今の聞いてなかっただろ…。ぼーっとするな!」
「ご、ごめん…。」
私は昨日のことが気になって、今日1日授業にも集中できなかった。
白井くんはみる限りでは、気にしていないようだけど…。
でも放課後の今も、白井くんに怒られてしまった。
(ちゃんと集中しなきゃ…!)
私は気持ちを切り替える。
「ところで、今日使う『命綱』はもってきたか?」
命綱とは、万が一ほうきを放してしまっても、落ちないようにほうきから足にくくりつけるものだ。
「あ…、ごめん。教室に忘れてきた…。」
「はぁ…、今すぐ取ってこい。」
白井くんは溜め息混じりにそう言った。
「はーい…。」
私は教室へ向かった。