第3章 練習
「わっ、え、あ…。ご、ごめん!」
私は白井くんから離れる。
(わ、私…嬉しさの余り、白井くんに抱きつくって…、どんな神経してんだ…。)
無意識とは言え、自分でした行動に恥ずかしくなった。
恥ずかしさで顔が、どんどん熱くなっていく。
「……。」
「……。」
2人とも黙ったまま、気まずい時間が過ぎてゆく。
(気まずくて、白井くんの顔見れないよ…。)
私がそう思っていると、白井くんが沈黙を破った。
「…じゃ、また明日。」
と、一言言うとその場からいなくなった。
「あ、うん。」
私には背中を向けて言ったため、どんな表情をしていたかは、分からない。
私も暗くなる前に、寮に帰るのであった。