• テキストサイズ

おてんば少女が恋に落ちた

第1章 夢と憧れ


「あっ、あそこに立ってる人だ。」

私はほうきに乗って、お届け物を待っているお客様を空から見つけた。

ゆっくりと下に下降する。


ほうきから降りて、私はこう言った。

「お届けに参りました~っ!ここに判子か、サインをお願いします!」



「ここまでとても遠いのに、ありがとうございます。」

「いえいえ、これも仕事ですから!…はい、お届け物です。」

私はお客様にお届け物を渡す。

お客様はにっこりと笑って、受け取ってくれた。


「それじゃ、私はこれで…」

「あ、あの!」

「ん?」

「お、お名前を教えていただけますか?!」

「名前は、…名乗るほどではございませんので。それじゃ!」

私はほうきをまたいで、再び飛ぶ。

「あ、待って下さーい!お届け人さ~ん!!」

「ごめんね~!仕事がまだ残ってるから~!」

必死に叫ぶお客様が、だんだん小さく見える。


「次の場所は…っと。」

私は次の目的地に向かうため、地図を見る。

「ん?これ…、どうやって見るんだ…?」

(ヤバい…、地図の見方が分からない…。)

だらりと汗が流れる。

「さっきの人に聞けば良かった~!」

なんて、後悔しても今更もう遅い。

「まぁ、いいや…。とりあえず飛んでれば、着くだろう…。」

半分諦めて、空を飛ぶ。




「……!」

なんだか、声が聞こえる。

「え…?」

「……星山さん!」


その声は次第に大きくなり、




「星山宇宙さん!!」

「え、あ、はいっ!!」

私は気がつくと、教室にいた。


/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp