第2章 狼狽
「ちょ、ちょちょちょ、だめです、あの、......だめです、だめです。」
「何がダメなんだよ」
「あ、あ、あ、あ、とりあえず、何で色々知ってるか、教えて貰えますか」
「も、もう0時30分なんで寝たいんですよ」
完璧な嘘。いつも寝るのは3時頃。
同人誌読んでるからな...。
これで離してくれると思いきや
逆だった。
離すどころか抱きしめられ、
耳元で囁かれる。
「ククッ。生娘ってのは本当、反応がおもしれェもんだ。」
「なっ...!」
「安心しろ、話はちゃんとしてやる。」
「でもその前に」
「な、な、なんですか。え、え、?」
「ゆっくり寝てろ。」
「は?な、何する気ですかちょ、ま」
「ちょ、高杉!高杉ーー!!!」
ドガッ
「色々とめんどくせぇからな。」
「ちゃんと寝て頭スッキリさせてからじゃないと話、理解できないぜ。」
「...手刀で速攻寝るとか、どんだけ強靭...いや、疲れてんだか。」
「あれぐらいだったら、死んでもおかしくねェのになァ......。」
スースーと寝息を立てながら
気持ち良さそうに寝る彼女は
とても愛らしくて仕方がなかった。
「それはそうと」
「問題はこれから、か。」
無理矢理こっちの世界に連れていくというのは気が引ける。
かと言ってこの世界に残すのも...
「ヅラがいたら違ったかもなァ......なんて。」
「こんなこと思うようになるなんてな。」
「......らしくねぇ。」
「ククッ。まあいい」
「じっくり考えてくか。」