〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第8章 再会
解散式から一日が経過し、今期の訓練兵が所属兵科を選ぶ時が来た。
「ねぇミケ、本当に調査兵団に行くの?」
ジルは隣に立つ大柄な男─ミケ・ザカリアスに問う。
ミケはジルから問われた事に答えず同じ問いをジルに返した。
「お前も調査兵団に本当に行くのか」
「何度も言うけど、行くわよ調査兵団に。
九年も前から決まってた事よ」
訓練兵団にいた三年間でジルは何だかんだでミケと共にいる事が多かった。
そしてその三年間で今のやりとりはもう何度も交わしてきた。
その度にジルは同じことを言い続けた。
調査兵団に入る─と。
訓練兵団にて所属兵科を問われ希望の兵科を伝えれば、その後の各々の入団手続きは訓練兵団から行われるとの事だ。
訓練兵達は明日には希望した所属兵科に転ずる事になる。
ジルは宿舎に戻り退居の準備をするのも良いだろうと宿舎に戻る事にした。