第5章 番外編
「そのあと連れていかれた警察で、名前と私のこと、話しましたね?」
「ぇ」
「話しましたね?」
「………聞かれた、から。名前と、あと教授のことも」
「時雨」
「━━━━やぁッッ、やだなんでぇ!?」
なかに挿入れられた玩具が、勢い良く動き出して。
暴れながら子宮を刺激する。
「住所は?」
言ってない!!
さすがにそれは、話してない!!
頭をブンブンと横に振っても動きが止まることはなくて。
後ろに挿入れられたままの指先と、玩具。
苦しくなるお腹に身悶え唇を噛んだ。
「時雨」
教授の膝の上に上半身をぐったりと預けたまま、耳だけで、教授の言葉を拾う。
「聞かれたことを正直に話すバカがどこにいます?」
「う……」
「警察だからって油断しすぎ」
「だ……っ、て……ッッ」
「時雨は少し、頭が弱すぎです」
………こう、教授がはっきり物事を言う時は。
大抵怒ってる時だ。
「そんな目立つことして、もし見つかったら?あちらの組織のことは全然わからないのに、あちらには時雨も雨音くんも顔も素性もバレバレなんですよ?」
「………」
返す言葉も、ございません。
いろんな意味で。
「捕まって拷問されたらどうします?」
「つかまんな……っ、い、も……ッッ」
「私にはあっさり捕獲されましたけど」
「………」
「痛め付けるばかりが拷問じゃないんですよ」
「ぇ?」
「こんな風に捕まった先で蹂躙されたら、あっさりと私の情報漏らすんじゃないですか?」
「ないよ!!そんなこと、しないッッ」
絶対教授より怖いの、ないもんっ!!
「だって時雨、私にはあっさり蹂躙されましたよね?」
「う……」
「時雨は気持ちいいことに、耐えしょうないから」
「そ、そんなこと、な………っ」
「なら、試してみますか?」
「ぇ」
「………ねぇ時雨、私のこと好きですか?」
「え」
「答えて時雨」
すき。
とか。
「………よく、わかんない」
そんなの、教えてもらったこと………ないもん。
「その答え、良く覚えていてくださいね」
なんで教授が笑ったのか。
この時はなんで、なんて思わなかった。
あとで知ることになる教授の笑顔の意味。
だけど。
この時。
教授の笑顔を見て全身に鳥肌がたったのは、事実だ。