第3章 変化
体育館ではボールの音と4人の声が響きあう。
「ちょっと待って…!いのりちゃん!うますぎるでしょ!」
『えっ?普通ですよ!」
花巻や及川がアタックを決めるも難なくそれを拾い上げる。アタックはネットがあるからそこまで決めることができないもののフェイントやコースを打ち分けポイントを決めたり岩泉にあげるトスも正確であった。
『岩泉先輩ナイスキーです』
「おう!水瀬もナイストス」
2人はハイタッチを交わしている。2人の様子に及川も花巻も驚く。
「なに及川。水瀬って中学でもあんなにうまかったの?」
「いや、むしろバレーしてる姿なんて見たことなかったよ」
2人で話していると「おーっす」と松川の声がしいのりと交代で入る。いのりはジュースを買ってきて何回か点を入れた後に休憩を促した。
「それにしてもいのりちゃんうますぎ!中学ではそんなしなかったじゃん!」
『言われなかったので…』
「もー!俺もいのりちゃんとペア組みたい!」
「じゃあペア組み直してもっかいするか」
と岩泉が言う。そしてその後もペアを組み直したりしながらバレーを続けた。気づけば夕方になっており片付けをして体育館を出た。
「はぁー疲れた!岩ちゃんムキになるんだから」
「なんでも負けたくないからな」
「俺ら日曜日なのにバレーとかどんだけ好きだよ」
「松川わざわざ呼び出しくらったもんな」
みんなで雑談しながら駅まで向かう。そしていつものようにコンビニへ寄り道しながら。