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【呪術廻戦】恋は呪へと散りぬるを《更新休止中》

第8章 後遺症◎




『んっ…』

ゆっくりと目を開けると、見覚えのある景色が広がる。


『私の部屋だ…
そういえば昨日あの後の記憶が…イタッ……』

右腕と下腹部に激痛が走り、思わず声を上げてしまった。
"そうだ、私…"
昨日の記憶が少しずつ蘇ってきた。



『吉本おはよう。
目覚めて良かった。朝飯持ってきたんだ』
虎杖君がわざわざ朝ご飯を届けに来てくれた。

『ありがとう…
あの…昨日のこと…』



ーガシャンッー


私が話そうとすると、虎杖君が持っていた朝食を机の上に置き、私の目の前に来た。

『本当にごめん…
俺があの時…トイレなんて行ってなかったらお前は…』
目に涙を溜めて、深々と頭を下げた。


『虎杖君、お願いだから頭を上げて…
私が隙ばかりだから…だからいけないの……』
心配かけたくなかったのに、涙が勝手に溢れ出てしまう。

昨日はあの男に何もされなかった。
ただ、それはあくまで昨日の話だ。


"この汚い身体は元には戻らない"
 "もう十分穢れてるんだもん"

あの男が言った言葉が頭の中を何度もグルグルと回り、突き付けられた現実に吐き気を催した。



すると突然、虎杖君が私のことを抱き締めた。


『なあ…今から話すことは、ここで今話す事じゃないのは分かってる。
でも聞いて欲しい。』

『…うん。』


『俺、昨日のことめちゃくちゃ後悔したんだ。なんで守れなかったんだよーって。
それと同時に、吉本はきっと今まで辛い想いいっぱいしてきたんだろうなって…
俺、もう吉本にそんな想い絶対させたくないって、そう強く思った。
今までの嫌な事全部俺が忘れさせてやりたいって思ったんだ』

虎杖君は深呼吸し、話を続けた。




『俺さ、この先もずっとずっと吉本のこと一番近くで守りたいんだ。

なあ…

俺と…付き合ってくれねえか?』




ーカチカチカチカチー





時計の音だけが部屋に響き渡る。




『…え…?』

『いや、うん、そうだよな。混乱させたよな。
即答出来ないのも分かってるし、ゆっくり考えて答え出してくれればいいから…
ただ俺は、命を懸けて吉本を守る』


虎杖君の真っ直ぐな目を見て、より大きな鼓動を立てて動く心臓…





『えっと…』

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