第5章 アサガオ *齋藤タカ丸*
***
「なんか、最近告白減ったな」
休み明けからまた数日・・・
4年生で揃ってランチをしていた時、守一郎がそんなことを言った。4年生達もそのことについては気になっていたようでみんな彼女の方を見る。
「和歌菜、最近何かあったのか?」
『ん?別に、呼ばれても行かないようにし始めただけ』
「えっ!?まさか、お前本命だできたとか?!」
と、三木ヱ門が大きな声でそう言うと滝夜叉丸も同じように驚き質問攻めにされてしまった。
「タカ丸さん…」
「ん?」
唯一話に入らなかった喜八郎が、俺の横に座り俺を睨んできた。きっとこれは、分かってて来たな・・・
「和歌菜と恋仲になったんですか?」
「…うん、一応ね」
「一応って…タカ丸さんだから見逃してますけど、僕も和歌菜を悲しませる奴には容赦しませんからね。」
「大丈夫だよ。…だって俺・・・。」
そういうと、喜八郎は少し怯えた顔になった。
だが、すぐに顔色を戻して俺から視線を逸らした。
大丈夫だよ、喜八郎・・・
だって・・・
俺の方が、和歌菜にぞっこんなんだもん・・・
もう彼女に、身も心も絡めとられちゃってるんだもん・・・
だから俺も・・・絡めついて、離れないから・・・
「…あぁ、嫌だね。これじゃもうほどけないよ」
*END*