水光接天 【鬼滅の刃/宇髄天元・弟】【中編】【R18】
第17章 彎月
2人が再会して数カ月が経った。
もともと天空は暇つぶしに陸上をしていたので、そんなに部活に出る方ではなかったが、あやが毎日楽しそうに部活に出るので仕方無しに付き合った。あやがキラキラした瞳で走り方や跳び方を聞いてくるもんだから、渋々教えてやる。
部活が早く終わった日は、天空が当たり前の様にあやを部屋に連れて帰る。
そしてあやが怒るので門限に間に合う様に送って行く。
試験期間中は勉強も教えてくれた。
・・・それ以外の色っぽいことも勿論たくさん。
ある日、あやは天空とベッドでごろごろしながらゲームをしていると、ふと天空が言った。
「あや、お前、元兄に会いたいか?」
「・・・天元様?会いたい!」
「じゃあ、今度の試験期間で部活が無い時に天元がいる高校へ連れて行ってやる。・・・お前が剣を教わった若い方の虎もいるらしいぞ。」
「虎・・・・・あ!杏寿郎殿?今の世界にいるの?すっごく会いたい。でも、どうしたの急に?」
「・・・・別に?何となく。会わせといた方がいいかと思った。なんか天元の学校には鬼狩りだった奴が一杯いるらしい。須磨や他の嫁なんかも。」
「空、ありがとう。楽しみ。」
後日
あやは天空と一緒に天元が勤務している学校へ行く。
天空が宇髄天元の弟だと言うと、すんなり中へ入れてもらえた。
美術室に向かうと、宇髄から連絡があったと杏寿郎が待っていた。あやが嬉しそうに駆け寄る。天空は入り口のところで杏寿郎に会釈すると中には入らなかった。
「杏寿郎殿!」
「おぉ、あや。懐かしい呼ばれ方だな。君、今は陸上をしているらしいな。」
「はい。前世で杏寿郎殿に走るのをみっちり鍛えてもらいましたので得意になりました。」
「・・あの・・・杏寿郎殿・・・鳩尾の傷は大丈夫ですか?」
「わはは。皆、それを聞く。今は大丈夫だぞ。心配かけたな。」
「会えて嬉しいです。」
あやが嬉しそうにニコニコしながら喋っているのを天空は眺めている。