第2章 Episode:02
LINE教えて、と野薔薇ちゃんが優しく笑いかけてくれたあの日、私は夢心地で家までの帰路を辿った。
雲の上を歩いてるみたいに、足元がやけにふわふわして(実際に歩いてみたことはないけど)
次の日の朝なんか、本当に夢だったんじゃないかって念入りにLINEの友達リストを何度も確認してしまった程だ。
それでも確信が得られなくて、その日の夜に恐る恐る【昨日はありがとうございました】とLINEを送ってみたら。
【敬語いらない】ってすぐに野薔薇ちゃんからの返ってきたのを見てやっと、夢なんかじゃないって漸く信じることが出来た。
そして今日。
「野薔薇ちゃん!ごめん。待たせて」
「全然。今来たとこ」
一緒に遊ぶのは、あの夜から今日で初めて。
野薔薇ちゃんの通っている高校は少し特殊で勉強よりも最近は実習の方が忙しいらしく、なかなか予定を合わせるのが難しかった。
それでも、三日に一回のペースでLINEのやり取りはしていて、気持ち悪い上にかなり怪しいと思うけど、いつも優しく相手をしてくれる野薔薇ちゃんににかなり甘えてしまっていた。
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