第1章 Episode:01
毎週土曜日の昼頃。
その店に行くことが、今のわたしの唯一の楽しみなっている。
いや、生き甲斐と言ってもいいかもしれない。
(あ、よかった今日はいる。ああ、野薔薇ちゃんやっぱり素敵だな……)
可愛い雑貨が並ぶ店内。
品物を選んでる振りをして、アクセサリーコーナーに居る彼女のことを、ちらりと盗み見する。
すぐ視線を手に持っているマニキュアに戻すけれど、目の奥に映るのは、深いオレンジ色。
綺麗に切り揃えられてる、野薔薇ちゃんのサラサラの髪の毛の色。
均整のとれた身体も相変わらず美しさ。何であんなにスタイル良いんだろう、思わず見惚れてしまう。
同じ女でも、私とは正反対だ。
「釘崎。まだかよー」
「うっさいわね。女の買い物を急かすんじゃないわよ。だからアンタは彼女できないのよ」
「いやだって1時間以上も…」
「ああ?」
「ナンデモアリマセン」
あ…今日は虎杖君と伏黒くんも一緒なんだ。
仲良くていいなぁ。やっぱりカッコいい男の子と並ぶと絵になるな…付き合ってはないみたいだけど、ちょっと落ち込んじゃう。
というか、野薔薇ちゃんのお友達の名前も覚えちゃうなんて私、気持ち悪すぎない?どんだけ野薔薇ちゃんのこと見てるの?
毎週いるかどうかもわからないのに、店に通い詰めてる時点で、もうストーカーだよね…。
はぁ…なんだか…虚しくなってきた……。
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