第27章 魔王の提案
「秀吉、三成、政宗、家康。今ここにはいないが光秀、そして華音。
貴様らは、この乱世で太平の世を築くことにおいて、一人たりとも欠けてはならない存在だ」
『……!!』
「そして俺は、そのことを明確にしたいと考えている」
それは、信長が信頼してそばに置く五つの席に、また一つ新たな席を加えることを意味していた。
その日、信長は彼らにある一つの提案をした。
その提案を聞いて瞠目する者、声を上げて驚く者、面白そうに口角を上げる者と、反応は三者三様だった。
「華音様のお気持ち次第ですが、よいと思います」
「……華音のことだから、返事も聞かずに勝手にこっちで進めてたらかえって不機嫌になりかねないしね」
「不機嫌なだけで済めばいいんだがな。光秀への説得役は秀吉だな」
「おい」
皆好き勝手言ってくれているが、とりあえずは賛成一択ということで良しとした。
あとは二人が、無事役目を成し遂げて安土に帰ってくるのを待つのみである。
(光秀、華音。抜かるなよ)