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【イケメン戦国】白衣の戦姫

第23章 二度目の本能寺


信長は秀吉と華音をそばへ置き、少数の精鋭兵と共に京へと赴いた。



「秀吉どの、食事は私が作りますよ。どの道私はお二人とこの後の同行は無理でしょう」

「ああ、助かる。公家たちのところにお前を連れて行くわけにもいかないしな」

「万が一にも継国の者がいると知られたら、公家の人達は泡吹いてぶっ倒れますからね」

「……冗談だよな」

「将軍の前にあちらで試してみますか?」

「絶対にやめろ」



ここだけの話、元々継国家は公家の一つだった。
朝廷に次ぐ権力を持つ、ずっと長く近くで仕えてきた者、もしくは朝廷と血縁関係にあたる家。
そして、自分達がずっと昔に追い払った血が生きていて、さらには500年後まで紡いでいたとしたら、将軍どころか朝廷も顔を真っ青にするだろう。

……華音が実は、この場の誰よりも高貴な血を引いているのではないか、という疑問はナンセンスである。
この問題は、継国家が関わってはいけない。
陽臣の手腕を以てすれば、やろうと思えばすぐにでも解決できるからだ。
それでは意味がない。
織田軍のことは、織田軍で解決しなければならない。
陽臣もそれは分かっているから、助言も手出しもしないし、そもそも信長達が求めることもない。


公家との会合が終わった信長と秀吉は華音と合流し、食事をとり終える。



「同じ轍は踏まないと慢心した俺は警戒を緩めて本能寺で夜を越す。そこで俺が油断したところを討つ。よって今夜、奴等は仕掛けてくるだろう。故に華音……寝るなよ」

「寝ませんよ人前で」



人前じゃなかったら寝たのかこの娘は。
珍しく信長と秀吉の心の声が一致した瞬間だった。
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