第10章 Night 10
近「今回の件は本当に危険なんだ。
女の子のまなちゃんを連れては行けない」
『そんなのっ、今更…
私だって真選組の一員なのに…‼︎』
がしっ
近藤さんが私の肩を力強く掴んだ。
近「やっと真選組にも華ができた…
まるであの頃みたいにみんなが笑顔になったんだ…」
あの頃…?
ミツバさんがいた時のこと…?
『…お願いします…
戦場へ行かせて下さい…』
心からの言葉だった。
私はミツバさんじゃないし、
ミツバさんみたいに偉大じゃない。
近「じゃあ誰が‼︎
誰が傷を負って帰って来た隊士たちを迎えるんだ‼︎
誰が傷を癒してくれるんだ‼︎」
近藤さんの手に力が入った。
『…それは…』
近「これ以上大切なものを失いたくないんだ…。これは僕だけの意見じゃないはずだ。真選組みんなの思いだ…」
山「近藤さん!早く!」
山崎さんが門の所で手を振り回しているのが目の端で見えた。
そのままみんなは行ってしまった。
私を残してーーーーーー…