第1章 Night 1
その男はまるで私を汚いものでも
みるかのように見下した。
「…土方さんこの女は」
「…ただの旅人らしいぜ」
会話をしながら沖田総悟は
バズーカを私に向けた。
ドオン ドオン ドオン ドオン
バク宙しながら、どんどん玉を避ける。
全く…いきなり撃ってくるなんて
常識知らずな人。
「おぉ、すばしっこいようでィ」
「おいぃ‼︎総悟、お前あいつが本当にただの旅人だったらどうすんだ‼︎」
「平気でさァ土方マヨラーコノヤロー、あいつはただの旅人じゃねえでさァ」
「今マヨラー関係ないからね‼︎」
「ただの旅人にあんな俊敏な動き出来るわけねェでィ…」
私は玉を避けながら、どんどん距離を離して行った。
…よし、このままいける‼︎
そう思ってどこかの家の屋根に
飛び乗ろうと思いっきり踏ん張った時だった。
ぐきっ
足を踏み外して、そのままバランスを崩してしまった。