• テキストサイズ

[BLEACH] 世界を超えて

第9章 生命と選択


「隊長、これで討伐完了っす」
「そうか。被害状況は?」

「三名ほど軽い怪我を負いましたが、死亡者および重傷者はいません」
「―…上々だな。よし、帰還する」
「はい。全員、六番隊舎へ帰るぞー!」

 大声をあげて、恋次は周囲にいる隊士達に撤退を指示する。
 それを見て、白哉はくるりと背を向けた。

 ようやく帰れる。
 白哉の意識は、自然と美穂子へと切り替わる。

 数日かかる討伐は、美穂子と出会ってから初めてのことだ。
 そのため、今回の討伐で白哉は美穂子の存在の大きさを痛感していた。

 美穂子と恋人関係となって一年が過ぎ去ろうとしている。
 最初の頃もかなり愛しいと思っていたが、それは一年経っても絶えることがない。
 逆に、もっと笑顔を見たくて、もっと話しかけてほしくてたまらなくなる。

 白哉は、空を見上げた。
 そこには―…雲一つない空が広がっている。

 今夜は満月。
 きっといい月夜となるだろう。

「―…今夜、にするか」

 出逢った時と同じ満月の夜に、あの泉で。
 美穂子という女神を―…永遠に手に入れるために。

 もしかしたら有限の時かもしれない。
 それでも―…自分は確かに、彼女と共に生きたいのだ。

 白哉はそう決意すると、部下とひきつれて六番隊舎へと向かった。

/ 89ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp