第4章 瀞霊廷の生活
次の日、美穂子は約束どおり白哉と一緒に六番隊舎へと出勤した。
「おっきー…」
でーん、という効果音がぴったりの門には大きく六の文字が書いてある。
ぎぎーっという重そうな音と共にとが開き、白哉はためらいもなく入っていく。
美穂子はそんな白哉の後ろについて、六番隊宿舎に入った。
かなり年季の入った建物ではあるが、補修や掃除が行き届いているせいか清潔感がある。
白哉が通れば、隊士達が挨拶をしていく。
そして白哉の後ろにいる私を見て、目を見開いてひそひそと何か言っている。
(うーん、やっぱり…目立ってる?)
死覇装を着ている隊士達に対して、美穂子は普通の着物。
一応場所柄鮮やかな着物ではなく、できるだけ暗めの単色を選んで着たつもりだが…やはり目立ってしまうのだろうか。
美穂子は隊士と目が会う度に、笑顔を浮かべてとりあえず挨拶だけはしていく。
すると、ぱたぱたと隊士はいなくなっていく。
それに首をかしげながらも挨拶をすることをやめるわけにはいかなかった。
ここで変な印象を与えて、白哉に迷惑をかけるのだけは避けたかった。
「ここが、私の執務室だ」
「お邪魔します」
白哉に続いて入ると、前方に赤い髪の男性がいた。
(うわ…派手。バンドマンとか?)
美穂子はちょっと驚いてみるが、相手も驚いているのか…手から筆が落ちた。
べちゃ、という音が部屋に響いた。
「…あっ、やべぇ!」
「恋次」
「す、すみません!隊長」